世界中のスポーツのほとんどのリーグには「選手会」と言われる労働組合があります。
しかし選手会って何をしているのか見えにくい側面があり、そんなに必要性があるのかとすら思ってしまいます。 NBAでも選手会はあるのですが、私は誰が選手会長をしているのかすら知りませんでした。
そこで今回は「歴代の選手会長は?、選手会の役割、功績」についてお話したいと思います。
NBA選手会は何をしているのか?
選手会は「NBAの選手労働組合」として1954年に設立され、主にNBAと協定を締結する活動をしています。
このような選手会はどのスポーツにもありますが、NBAの選手会は他のスポーツと比較し設立が早かったのでとても影響力のある存在になっています。
その為、年俸に関する交渉なども積極的に行っていて現在では「世界中のプロスポーツの中で最も高い平均年俸」になっています。
また他にも不当な契約や解雇、年金や保険制度についての改善も行っています。
しかし、時にはNBA側と対立する事もあり、実際にロックアウト(ストライキ)によりシーズン開幕が遅れたこともありました。
歴代の選手会会長と功績は?
選手会会長の名前と選手会での功績をまとめました。
初代:ボブ・クージー(1954~1957)

~功績~
・選手会を労働組合として認定
・7ドルの日当と旅費の支払い
・エキシビジョンゲームの試合数の削減
第2代目:トム・ヘインソーン(1958~1964)

~功績~
・日当を8ドルに増加
・年金制度の設立
・選手会を団体交渉代表と認定
第3代目:オスカー・ロバートソン(1965~1973)

~功績~
・年金制度の充実化
・レギュラーシーズンを全82試合に制限
・健康診断と保険金制度の導入
第4代目:ポール・サイラス(1974~1979)

~功績~
・オスカー・ロバートソン訴訟
NBAとABA合併に伴い選手の給料減額に対して訴えたが敗訴
・フリーエージェント制度の確立
「ロバートソン契約」が締結して契約切れの選手をチームに結びつけていた様々なオプション条項が廃止
第5代目:ボブ・レイニア(1980~1985)

~功績~
・初の労使協定の締結
NBAの多数球団が赤字経営だった事で選手への給料未払いが発生したが、選手側が歩み寄り労使協定を結ぶ
※労使協定:労働者と使用者との間で締結される協定
・サラリーキャップ制度の導入
選手の最低保証額を4万ドルとする
・球団はリーグ全体で最低253人の選手を保有しする事
第6代目:ジュニア・ブリッジマン(1986)

~功績~
特筆すべきことなし
第7代目:アレックス・イングリッシュ(1987~1988)

~功績~
・サラリーキャップリーグ全収益53%へ引き上げ
・NBAドラフト3巡目以降のドラフト廃止
第8代目:アイザイア・トーマス(1989~1993)

~功績~
特筆すべきことなし
第9代目:バック・ウィリアムス(1994~1996)

~功績~
・ラリーバード例外条項の復活
3年間同チームでプレイした選手は、サラリー上限の制限なく契約できる
・ルーキー・サラリーキャップの確立
・サラリーキャップをリーグ全収益の48.04%へ引き下げ
第10代目:パトリック・ユーイング(1997~1999)

~功績~
・第三次ロックアウト
ラリー・バード例外条項が原因で選手の年俸が高騰してしまい発生。開幕が11月→2月に変更されその間の試合は全て中止
第11代目:マイケル・カリー(2000~2003)

~功績~
特筆すべきことなし
第12代目:アントニオ・デイビス(2004~2005)

~功績~
・NBA加入最低年齢を引き上げ
18歳から19歳に引き上げ(高校生を禁止)
・サラリーキャップ48.3%→51%引き上げ
・故障者リストの廃止
・最低保証額をリーグ全収益55%→57%引き上げ
・ロスター枠が12→15名拡大
第13代目:デレック・フィッシャー(2006~2012)

~功績~
・第四次ロックアウト
球団オーナーと選手間で収益配分による交渉は難航し発生。開幕が2週間遅延。
第14代目:クリス・ポール(2013~)

~功績~
・最低保証年俸を約45%UP
選手の平均年俸が850万ドル(約9~10億円)
・新型コロナに対する対応
NBA中断、再開時期に対する決定など
まとめ
NBAではやはり選手会の影響力が強く、かなり選手側の意見が取り入れられています。その為、実際に選手の年俸は年々上昇しています。またNBA側が拒否した場合は選手側がロックアウトをして試合が中止となり各球団の収入が減るので、NBA側はそれを恐れてあまり強い態度がとれていないのだと思います。
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